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3.厳格性と寛容性

データ変換のためには、「共通の中間データ構造」があって厳格な規格が与えられていればよさそうです。「共通語」と呼んでもよいでしょう。ただ、どこまで厳格であるべきかについて、筆者は8割の規格厳守と2割の寛容がバランスしているように思います。

 

英語とフランス語を例に挙げます。自然科学に関する国際会議や論文でフランス語が用いられることはもう ないでしょう。フランス語は、保守的で外来語を排除しようとしました。結局、新技術に関する用語や表現を取り込めず、共通語としては国際舞台から消えまし た。一方、英語は外来語に寛容で、英語圏以外の言葉と融合して新しい言語(例、Japlish)さえ生み出しました。この寛容さゆえに世界中どこでも受け 入れられる言語となり、方言だらけなのですが共通語の地位を確立しました。

 

「共通の中間データ構造」にも同じことが当てはまると思います。厳格な規約を適用すると、限られた範囲 では安定したデータ交換が保証されます。その代わりモデリング技術の発展にデータ変換が追随できない可能性を生じます。共通の中間データ構造には、多少の 方言や曖昧さが残ることをよしとすべきでしょう。厳格すぎる輪には、(現在や将来の)CADベンダーが参画しづらいものと思います。

 

方言や曖昧さは、データを送る側と受け取る側を特定することで解決できるでしょう。「共通の中間データ構造」は、不特定多数を相手にするための「放送」規格にする必要はないのです。

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