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3.幾何データの変換

1 単位系の変換

幾何データのうち、位置に関する情報(曲線・曲面の制御点など)は、どの単位系で記述されているのか確認します。必要であれば、モデルの3次元空間での広がりを維持したまま変換後の単位系にあわせて位置に関する情報を再計算します。

 

2 点の変換

点の変換は、座標値(x,y,z)つまり3個で1組となる実数値の詰め替えです。

 

3 曲線の変換

CADデータを受ける側が理解できる「数学表現」の曲線を作成します。
CADデータを送る側がもつ曲線の数学表現は必ずしも受け側が理解できるものではありません。BEZIER曲線しか理解できないCADにNURBS曲線を そのまま渡すことはできません。曲線データの変換は、次の指標で行います。送り側と受け側で全ての指標が一致しない場合、一般に誤差ゼロで変換することは できません。その変換は「近似変換」となります。

 

1)数学表現

解析表現、Fergason、Bezier、B-Spline、NURBS、その他

2)次数

例えば、B-Splineでも3次と9次では別物になります。
多くのCADで最高次数に制限を設けています。

3)有理表現

例えばNURBSの座標記述は4つの要素(x,y,z,w)を含みます。
4番目の要素(ウェイト)を利用した表現を有理表現といいます。
BezierやB-Splineには有理表現したものとそうでないものがあります。

4)無限領域

直線やフル円などは無限の曲線(両端がない)とみなすことがあります。
曲線として両端が必要か否かはCADによって異なるところです。

 

 

4 曲面の変換

曲線と同様の類推ができます。送り側と受け側で4つの指標(数学表現、次数、有理表現、無限領域)が一致しない場合「近似変換」になります。無限領域(になる可能性)の例としては、平面、円筒面、球面、トーラスなどが挙げられます。

 

 

5 手続き型曲線、曲面の変換

数学表現の特殊な例として「手続き型曲線」「手続き型曲面」があります。

 

パラメトリック表現とは、曲線ならあるパラメータ(t)に対して、曲面ならある(u,v)に対して(x,y,z)が一意に決定される仕組み(関数)です。

 

この関数にBernstein基底関数を利用したものがBezier曲線・曲面です。Bスプライン基底関数を利用したものがBスプライン曲線・曲面およびNURBS曲線・曲面です。
この関数に、CADが「固有の関数」をブラックボックスとして与えているケースがあります。例えば、「並んだ2本の曲線間に張る曲面(ルールド面)」、 「断面線を回転軸にそって回転させてできる曲面(回転面)」、「ある曲面をオフセットしてできる曲面(オフセット曲面)」、「半径が徐々に変化するフィ レット面(徐変フィレット)」などは、CAD内部でこのような表現になっていることがあります。

 

手続き型曲線・曲面は、一般のBezierやNURBS表現に(近似)変換します。

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