位相要素を表す表現はCADによって多少異なります。位相のデータ変換では、送り側が出す位相要素をいったん中立の位相要素に置き換え、改めて受け側の位相要素に変換します。筆者がまとめた中立の位相要素について紹介します。
中身の詰まった製品モデルそのものです。
物体表面を表すSHELLで覆われています。
一続きの大きな面です。隣接するFACEを縫い合わせたものです。
特にボールのように閉じているとき、ソリッドを表します。
SHELLを構成する個々の面です。トリム曲面が対応します。
FACEとFACEの縫い目の線です。有限の曲線が対応します。
EDGEが集中する場所です。点が対応します。
「アセンブリ」は複数の「部品」が組み上げられたものです。
1つのSOLIDが1つの部品を表します。CADデータのアセンブリは、個々のSOLID(部品)に「配置情報」を付加し、それら部品を「グループ化」し たものです。グループ化したものに、さらに「配置情報」を加えると「サブアセンブリ」として親アセンブリに組み込むことができます。
1個の部品が複数の場所に配置されることもあります。このような場合、部品のコピーのような要素(「インスタンス」)が配置対象となります。
データ変換において、受け側のCADで配置情報やインスタンスを利用できない場合、データ変換プログラムは配置「後」の位置へ、対象となる曲線、曲面を移動、複写します。
CADによって、苦手な位相状態があります。例えば、缶のような部品を設計すると、CADごとに次のような位相状態になります。
a)側面はシームのない1つのFACE
b)側面は明示的なシームをもつ1つのFACE
c)側面は、2個のFACE
状態cを望むCADに、状態aのBrepをそのままで渡すことはできません。差異は変換プログラムが吸収することになります。
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